『葵祭』用語ミニガイド

(あおい)(まつり)]1300年以上前から毎年旧暦4月(現在は5月)に行われているお祭。必ず葵(双葉葵)と桂が飾られます。勅使をはじめ、神職も参列者も皆葵と桂を身に付けます。

御物忌(おものいみ)(がわ)]上賀茂神社の社殿(しゃでん)の東側を流れる川のことです。

神奈備(かんなび)]神様が住まう山や森のことです。

御神宝(ごしんぽう)御祭神(ごさいしん)にお供えする宝物のこと。一般に鈴・鏡・剣・琴などが多く、それを上賀茂神社では(ほん)殿(でん)(ごん)殿(でん)の両方に同じ物が常備されています。ただし、賀茂社では御神服(ごしんぷく)は神様と一体のものなので、一枚のみ供えられます。

献饌(けんせん)]神様が召し上がるお食事である、神饌(しんせん)を神様におすすめすること。一般的に神饌としてはお米やお酒、海の幸、山の幸、お塩、お水などが供えられます。

御祭文(ごさいもん)]天皇陛下が勅使に託し、奉られる祝詞(のりと)のことです。

御幣物(ごへいもつ)]神様へのお供え物のこと。「幣」は布を意味し、幣帛(へいはく)とも言うように布類を意味しています。勅使が供えられる御幣物は、森羅万象(しんらばんしょう)を表す五色の反物で、天皇陛下からのお供え物として捧げられています。

(きん)(がい)]神様を覆い、垣のように張りめぐらして囲っている布のこと。神様を新殿へ移す際に用います。

神威(しんい)(しん)(とく)]神様のお力、また、神様が人々にもたらすご利益のことです。

賀茂(かも)(さい)(おう)]伊勢神宮の斎王にならい、平安時代の初めから上賀茂神社、下鴨神社の両社(賀茂社)の祭りにお仕えすることになった未婚の皇女のことです。

神座(しんざ)]神様が社殿の中で座られる場所のことです。

御物(おもの)(だな)]神様のお供え物を並べておくための棚のことです。

衣冠(いかん)束帯(そくたい)]衣冠とは平安時代以降の官人の宮中での正装である衣冠(いかん)姿(すがた)のことで、最高の正装のことを束帯(そくたい)姿(すがた)と言います。

(すめ)大神(おおかみ)]伊勢の天照大神(あまてらすおおみかみ)を皇大神と言い、それになぞらえ、京の守護神として賀茂(かもの)(すめ)大神(おおかみ)と言われるようになりました。

社殿(しゃでん)]お(やしろ)とも言い、神様が寄り付かれる場所。神様を祀る建物のことです。

透廊(すいろう)]両側に壁のない渡り廊下のことです。

上賀茂(かみがも)神社(じんじゃ)]=賀茂(かも)(わけ)(いかづち)神社(じんじゃ)

正式には「賀茂(かも)(わけ)(いかづち)神社(じんじゃ)」と言い、祀られている神様は下鴨神社の御祭神(ごさいしん)玉依姫(たまよりひめの)(みこと)の子神と言われている、賀茂(かも)(わけ)(いかづちの)大神(おおかみ)。そのため、上賀茂神社と下鴨神社を合わせて()()(しゃ)もしくは賀茂大社と呼ばれています。上賀茂神社の(ほん)殿(でん)(ごん)殿(でん)は国宝であり、その他、30以上の社殿(しゃでん)が国の重要指定文化財となっています。また、世界文化遺産にも指定されています。)

葵祭 舞人(撮影:久禮旦雄)
賀茂別雷神社之全図
禿氏祐祥 著『京都社寺境内版画集』,便利堂,昭和17. 国立国会図書館デジタルコレクション  
https://dl.ndl.go.jp/pid/14561042

式年(しきねん)遷宮(せんぐう)正遷宮(しょうせんぐう)] 式年とは一定の年数を意味し、遷宮とは宮を(うつ)す(宮殿をうつし替える)ことを意味します。厳密に言えば、伊勢神宮のごとく20年ごとに、宮(御屋=社殿)も御神宝(ごしんぽう)なども造り変え、新宮へ神遷(かみうつ)しすることを言います。しかし、おおよそ数十年以内ごとに、宮(本殿)を修理して神遷しをするときも式年遷宮と言います。

御祭神(ごさいしん)]神社に祀られている神様のこと。上賀茂神社では賀茂(かも)(わけ)(いかづちの)大神(おおかみ)を指します。下鴨神社では、その御祖(みおや)(かみ)(親の神)である、母親と祖父の神様が御祭神として祀られています。

熟饌(じゅくせん)]生のままではなく、神様にすぐ召し上がっていただけるように調理された神饌(しんせん)のことです。

玉串(たまぐし)拝礼(はいれい)(さかき)木綿(ゆう)紙垂(しで)を付けたものを玉串と言い、これを用いて神様に捧げること。「(たま)」は魂であり、人の想いを神様に捧げるという意味が込められています。

撤饌(てっせん)]神様に捧げた神饌を下げること。

直会(なおらい)]神事の後に、神様へのお供え物を下げて参列者一同で飲食をすることです。

鳥子紙(とりのこがみ)]表面がなめらかで艶があり、耐久性にも優れた高級な和紙。勅祭社(ちょくさいしゃ)に捧げられる御祭文(ごさいもん)にも用いられます。

勅使(ちょくし)]例祭などに参列する天皇陛下のお遣いのこと。勅使が参列する神社を(ちょく)(さい)(しゃ)と言います。

(ちょく)(さい)]天皇陛下の使者である「勅使(ちょくし)」が遣わされて執り行われる神社の祭祀(さいし)(お祭)のこと。勅使を遣わすことが定例になっている神社を勅祭社(ちょくさいしゃ)と言います。現在、勅祭社は16あり(上賀茂神社、下鴨神社を別に数える)、上賀茂神社はその筆頭格です。

御手洗(みたらし)(がわ)]上賀茂神社の社殿(しゃでん)の西側を流れる川のことです。

[ならの小川(おがわ)御物忌(おものいみ)(がわ)御手洗(みたらし)(がわ)の両方が楼門前の玉橋から少し下った所で合流し、境内の東側を南向きに流れていく部分から「ならの小川」と呼ばれています。

幣帛(へいはく)]神様にお供えする布地のこと。他に食べ物なども含めた場合にはご幣物(へいもつ)とも言います。

遷御(せんぎょ)]神様が新しくなった社殿へとお遷りになる儀式のことです。

奏上(そうじょう)]神様などへお願いごとを申し上げることです。

摂社(せつしゃ)]本社と縁の深い、本社に次ぐお(やしろ)のことです。

(ほん)殿(でん)(ごん)殿(でん)]本殿は神社で神様をお祀りする社殿(しゃでん)。権殿は本殿を造営・修理する間、神様を仮に安置するところを指します。

勅使(ちょくし)解除(げじょ)]宮司が天皇陛下から遣わされた勅使(ちょくし)をお祓いすることです。

土屋(つちのや)]神主以下社司の(ちゃく)(とう)殿(でん)(装束などを整えるところ)として用いられていましたが、現在はお祓いの場所として使用されています。

微音(びおん)奏上(そうじょう)]神様だけに聞こえる小さな声で御祭文(ごさいもん)を読むことです。

御阿礼(みあれ)(さい)]上賀茂神社で5月15日の葵祭の前(5月12日)に行われる祭。また下鴨神社でも、同日午前に「御蔭(みかげ)」の祭が行われます。その際に神様が生まれ変わり、新しい力を備えて蘇られると言われています。御阿礼祭は上賀茂神社の祭儀では最も古くかつ重儀の神事で一般の奉拝は許されていません。

奉幣(ほうべい)(さい)]式年遷宮の翌日に天皇陛下からのお供え物が奉納される祭。神様にお供え物をする献饌(けんせん)と、お供えした物を下げる撤饌(てっせん)が行われます。献饌では10品以上がお供えされ、上賀茂神社周辺の美味しい物や初物を献上することも、人間が神様にするおもてなしのひとつです。

山背(やましろの)(山城)(くに)] 現在の京都府の主要部分。奈良時代の首都である平城京から見て「奈良山の後ろ」にあたる地域であることから来ていると言われています。

御扉(みとびら)開扉(かいひ)]神様が祀られている(ほん)殿(でん)の扉を開くこと。本殿は通常、鍵をかけて扉が閉じられています。閉じる際は御扉(みとびら)(へい)()と言います。

(よう)拝殿(はいでん)]遥か遠くから神様を拝むための社殿のことです。

葵祭 舞人(撮影:久禮旦雄)
神山(撮影:久禮旦雄 京都産業大学キャンパスより)